放射能に向き合う日々

放射能汚染堆肥の全国流通について

北は秋田県から南は佐賀県まで、日本中のホームセンターなどから、数万ベクレルといった高濃度の放射能に汚染された腐葉土が見つかっている。放射能汚染は東北・関東だ

けではなく、トラックで運送されて日本中に広まりつつある。
下に各地で自治体が発表したホームセンター販売堆肥の放射性物質検査結果を発表したアドレスを紹介しておくので、見ていただきたい。

 ついに農水省は7月25日に東北・関東由来の堆肥等の施用・生産・流通の販売自粛を各県へ要請し、8月1日には肥料・土壌改良資材・培土中の放射性セシウムの暫定許

容値を400ベクレル/kgに設定し、この値を上回らないかどうか確認したうえでなければ、堆肥の製造や、使用を行わないよう関係者を指導するよう各県に通知を発出した。

○高濃度の放射性セシウムが含まれる可能性のある堆肥等の施用・生産・流通の自粛について
農林水産省7月25日

http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/syouhi/110725.html
→関東・東北における当面の堆肥の施用・生産・流通について自粛を要請

○放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について
平成23年8月1日 農林水産省

http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/shizai.html

→肥料・土壌改良資材・培土中の放射性セシウムの暫定許容値を400ベクレル/kgに設定

この通知には許容値を上回るかどうかどうやって確認するかが一切出ていない。
農水省によれば、放射能を図る機械は一台2,000万円~3,000万円もするということだから、
個々の農家が腐葉土の放射能を測定することはできない。

 農水省は都道府県に腐葉土や堆肥をどのくらいの範囲をどのくらいのサンプル数でどのように図れば「許容値を上回るか否か確認する」ことになるのか、示していない。こ

のため、都道府県は農家のために計測を始めることもできない。通知は全国全ての自治体が対象になっているので、これは実質的に日本において有機農業を禁止するというこ

とである。
 
 今回の事件の経緯を注意深く見てみると
(1)ああやっぱりそうか
 といううんざりする事実と
(2)これは意外
 という明るい材料が見えてくる。

 まずはうんざりする事実の方だが、これは農林水産省は問題があることが解かっていても、事が表沙汰になるまでは決して動こうとしない組織であるということがまた改め

て判明したということである。

 農水省は随分前から、お茶の葉や牧草の計測により、植物の葉が相当高濃度広範囲に渡って汚染されていることを知っていた。  

 牧草については、以下のように、栃木県北部で3,500Bq/kgといった高濃度の汚染が検出されていることを農水省自体が発表している。 

○牧草中の放射性物質の調査結果について

http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/syouhi/bokusou_kensa.html

栃木県那須塩原市 5月25日 3,500Bq/kg
栃木県日光市 5月5日 3,480Bq/kg
宮城県七ヶ宿町 5月18日 1,770Bq/kg
岩手県一関市 6月9日 1,010 Bq/kg

 また、南関東のお茶の葉を計測し、南関東の古い葉からは、1,400Bq/kg近い放射性セシウムを検出している。
○平成23年6月2日
農林水産省
東日本大震災について~お茶の放射性セシウムの検出問題への対応等について~

http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/tokusan/110602.html

→関東地方南部のお茶の木の古葉から1,390Bq/kgを検出

 7月中旬前後には、埼玉・千葉の自治体の、刈り草や剪定枝から堆肥を製造している施設で、堆肥等から高濃度の放射性セシウムが検出されていた。

○東埼玉資源環境組合
(埼玉県越谷市、草加市、八潮市、三郷市、吉川市及び松伏町で構成)
の堆肥化施設で受け入れた一般家庭・事業所等からの刈草
→地域内刈草より放射性セシウムを最大で8,240Bq/kg検出

・東埼玉資源環境組合
★せん定枝・刈り草の受入中止と搬出抑制のお願い(平成23年7月22日)

http://www.reuse.or.jp/housya_kekka/230722_housya_onegai.pdf

・東埼玉資源環境組合 刈草・堆肥の放射性物質測定結果
7月1日

http://www.reuse.or.jp/housya_kekka/230701_housya_kekka.pdf

・東埼玉資源環境組合 焼却灰・刈り草などの放射性物質測定結果
7月8日

http://www.reuse.or.jp/housya_kekka/230708-1_housya_kekka.pdf

・放射性物質の測定結果
7月19日

http://www.reuse.or.jp/housya_kekka/housya_kekka_gaiyou.pdf

○・堆肥センターの堆肥の放射性物質の測定結果
千葉県野田市 7月13日

http://www.city.noda.chiba.jp/osirase/20110311jisin-292.html

→市内剪定枝から最大2,500Bq/kgの放射性セシウムを検出

 ホームーセンターの堆肥が強い放射線を出していることは、ネットの中ではかなり前から広く話題になっていた。しかし、自治体が計測に動かなかった。

 しかし、秋田県が、「ホームセンターで売られている堆肥から強い放射線が出ている」との通報を受け、放射性物質の測定を行いこれを25日に発表したことから、その日

のうちに農水省は堆肥等の使用自粛要請を関東・東北の都道府県に発出し、5日後の8月1日にはもう許容値を決めて各県に通知している。

 これは、農水省が全てを知って準備をしておきながら、「できることなら表ざたにならなければ良いなあ、何もしないですむし」と首をすくめて事態を放置していた証拠で

ある。
そうでなければこんなに早く許容値を決められるわけが無い。

 農水省が事態を知りながら指導をせずに手をこまねいていたために、高濃度の汚染された堆肥が全国のホームセンターで大量に販売され、日本中の農地にすきこまれてしま

ったのである。
これは放射能に汚染された牛肉が全国に流通したことよりももっと深刻な事態である。牛肉は一度食べたぐらいでは健康に影響は無いし、食べれば無くなってしまうが、農地

にすきこまれた腐葉土は牛肉とは段違いに汚染度が高いうえに、100年以上もそこにあり続けてなくならないからだ。セシウムの半減期は30年で120年たってやっと1

6分の1になる。今生きている人が全て亡くなってしまうまでは、汚染度が低くならない。

 事故米や無許可専従問題で明らかになっている農水省の「臭いものにはふた」主義がまた徹底的に裏目にでた訳であるが、これは農林水産省の組織文化であって永久に改善

されないから仕方がない。農水省は食品の安全にかかわって欲しくない組織であることを認識した上で、国民は対応を考えるしかない。

 次に「これは意外」という明るい材料は「一個人の訴えによって自治体が動き、それによって国が動いたために、事態が改善の方向へ向かった」ということである。一個人

の指摘により県が動くということは通常は無い。
放射性物質の検出は一台何千万円という機械を必要とするし、民間検査機関に検査を委託すると3万円~4万円もとられてしまう。それを承知で一個人の指摘により動いた秋

田県は高く評価されるべきである。かなり前からネットで計測結果をブログに載せて危険を訴えていた人が多いことから、おそらく他県にも「ホームセンターに高い放射線を

出している腐葉土がある」という同様の訴えが多数届いていたと思われるが、他県は動かなかったのだろう。

 つまり、「農水省のようなどうしようもない組織であっても、県が動けば動かざるをえないし、県は県民の訴えを聞いてくれることもあるということが解かった」というこ

とである。

 放射能の危険はいまや日本国民全体のものとなった。どこにどういう形で放射能汚染が広がっていくか全く検討がつかない。そうした中で、農水省をはじめとするどうしよ

うもない国家行政機関は全くあてにできない、
このような絶望的な状況も個人の努力で切り開ける可能性があるということが明らかになったということが大きな希望である。

 これからは、私たちが自ら調べ、行政機関にあらゆる手段で圧力を行使し、行政を動かしていかなければならない。

 今回の明るい材料をしっかり覚えておこうではないか。


○・栃木県産腐葉土からの放射性物質の検出について
平成23年7月25日 秋田県

http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1311589036847/index.html

→放射性セシウム11,000Bq/kg

・[2011年7月26日登録] 秋田県
腐葉土に係る放射線の調査について

http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1311677700673/index.html

○最終更新日:2011年07月29日
高濃度の放射性物質を含む可能性のある腐葉土が長野県内に流通していた件について
長野県農政部

http://www.pref.nagano.jp/nousei/nougi/hiryouhp/fuyoudo.htm


○東北地方の植物等から生産された腐葉土から放射性物質が検出されたことについて
鳥取県

http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=171403

2011年07月28日
→岩手県等原料入り腐葉土より14,800Bq/kgの放射性セシウムを検出

○株式会社カインズ
バーク入り腐葉土 14Lの対応について(2011年7月28日現在)

http://www.cainz.co.jp/information/oshirase_fuyoudo_28.html

○株式会社カインズ
腐葉土 3Lの対応について(第2報)(2011年8月2日現在)

http://www.cainz.co.jp/information/oshirase_fuyoudo_02.html

○放射性セシウムを含む可能性のあるたい肥等の流通調査結果について
平成23年7月29日
京都府農林水産部

http://www.pref.kyoto.jp/news/general/2011/7/1311933500196.html

○放射性セシウムを含む可能性のあるたい肥等の検査結果について
平成23年8月2日
京都府農林水産部

http://www.pref.kyoto.jp/news/general/2011/8/1312272731130.html


http://www.pref.kyoto.jp/news/nosan/1312368275433.pdf

→栃木県産腐葉土より26,600Bq/kgの放射性セシウムを検出
 茨城県産馬ふん堆肥より4,990Bq/kgの放射性セシウムを検出

○栃木県産腐葉土からの放射性物質の検出について(7月27日)
更新日 2011年07月27日 高知県

http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/162201/h23-fuyodo.html

→腐葉土より450Bq/kgの放射性セシウムを検出

○腐葉土中に含まれる人口放射性核種分析の結果
平成23年月27日 高知県

http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/attachment/54857.pdf


○放射性セシウムが含まれる可能性のある腐葉土の検査結果について(7月28日)
更新日 2011年08月01日 高知県

http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/162201/h23-fuyodo20110728.html


○腐葉土中に含まれる人口放射性核種分析の結果-1
平成23年月28日 高知県

http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/attachment/54912.pdf


○腐葉土中に含まれる人口放射性核種分析の結果-2
平成23年月28日 高知県

http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/attachment/54913.pdf

○腐葉土中に含まれる人口放射性核種分析の結果-3
平成23年月28日 高知

http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/attachment/54914.pdf


○腐葉土中に含まれる人口放射性核種分析の結果-4
平成23年月28日 高知

http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/attachment/54915.pdf


○県内で販売が確認された栃木県産腐葉土の放射能調査結果について2011年7月28日
徳島県

http://www.pref.tokushima.jp/docs/2011072800199/


○栃木県産腐葉土からの放射性セシウムの検出について
発表日:2011年07月30日 香川県

http://www.pref.kagawa.lg.jp/kgwpub/pub/cms/detail.php?id=9693


→腐葉土より28,700Bq/kgの放射性セシウムを検出

○平成23年 (2011年) 8月 2日
山口県 農業振興課
高濃度の放射性セシウムが含まれる可能性のある腐葉土等の流通に関して相談窓口を設置しました

http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a17300/housyaseiseshium/soudannmadoguchi.html


→腐葉土より680Bq/kgの放射性セシウムを検出

*県内農家が購入した『落ち葉』から国の暫定許容値を超える放射性物質が検出されました
平成23年8月4日
佐賀県
園芸課 環境保全型農業担当

http://www.pref.saga.lg.jp/web/kisha/_56139/_56419.html

→栃木県産落ち葉より32,100ベクレル/kg検出
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by touten2010 | 2011-08-05 02:01 | 全般 | Comments(0)

福島原発事故の後、全ての日本人が放射能と向き合って暮らすことを運命付けられた。その一人として日々の放射能の情報を整理し、これに向き合う。
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