放射能に向き合う日々

輸入材を燃やした灰から高濃度の放射性セシウムが検出された!

5月16日に、高知県で、施設園芸用のボイラーの燃料として木質ペレットを燃やした灰から、2,240Bq/kgという高い放射性セシウムが検出されたと、高知県庁が公表した。。

木質ペレット燃焼灰からの放射性物質の検出について 2012年05月16日 高知県庁
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030501/nensyoubai-housyaseibussitu.html
燃焼灰 (1検体)   放射性セシウム2,240Bq/kg が検出

そして今日5月21日、宮崎県においても、同様に施設園芸用ボイラーで木質ペレットを燃料として燃やした灰から、最高で1,641Bq/kgの放射性セシウムが検出されたと、宮崎県庁が発表した。

木質ペレット燃焼灰からの放射性物質の検出及び農産物の安全性確認について
2012年5月21日 宮崎県庁
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/eino/shoku_anzen/page00080.html
焼却灰からセシウム137が713~1,641Bq/kg(ベクレル/キログラム)検出
ペレットのセシウム137は5Bq/kg

どちらも、燃料は、岡山県真庭市に本社を持つ銘建工業が製造した、木質ペレットである。

岡山県の木質ペレット燃料全国シェアは26%であり、銘建工業は木質ペレット業界では知らぬ人は無い大企業であるから、その製品である木質ペレットは日本全国に流通しているはずである。各県が真面目に対応して検査を行えば、日本中のビニールハウスのボイラー、木質ペレットストーブの焼却灰から、同程度の放射性セシウムが続々と検出されていくことになろう。(私としては、高濃度放射能堆肥のときと同じように、かなりの割合の県が、真面目に対応しないのではないかと危惧している)

特用林産物生産統計調査
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokuyou_rinsan/index.html
木質粒状燃料(木質ペレットを含む)の岡山県シェアは26%

この放射性セシウムの出所は福島原発ではない。燃料となった木質ペレットの原材料はヨーロッパ材である。また宮崎県庁の発表したデータを見て欲しい。半減期が2年程度の放射性セシウム134は全く検出されず、検出されているのは放射性セシウム137だけである。福島原発の事故で放出された放射性セシウムは、土壌からも農産物からも全て放射性セシウム134と137がこれまで同程度に検出されている。この違いは、放射性セシウムが放出された時期や放出原の違いを示している。今回問題になっている木質ペレットに含まれている放射性セシウムの出所は、福島原発ではなく、チェルノブイリ原発事故のようなかなり昔の事故で放出されたものか、さらに遡って過去の核実験によるものであると思われる。

 ここから得られる教訓は以下の通りである。

 まず、いま東北の震災瓦礫の全国各地での焼却処分が進められようとしており、反対運動が起こって問題になっているが、これを進める側の自治体は、瓦礫を受け入れる前に、現在の焼却炉の焼却灰をきちんと測っておかないと、瓦礫を焼却した後から出た放射性セシウムの出所が不透明になり、周辺住民への説明ができなくなる。瓦礫の焼却処理を進められている自治体は住民理解の元に焼却を進めたいのであれば、この点を注意しておく必要があると思う。

 次に、東北の震災瓦礫でなくても、外材を燃やした灰からは高い放射性セシウムが検出される可能性が十分あるし、これまでもおそらく相当長い期間、放射性セシウムを多量に含んだ焼却灰が日本全国にまかれつづけてきたであろうということだ。また、この放射性セシウムの出所が核実験だとすると、国内の材木でも同じように放射性セシウムを多量に含んだ灰を膨大に排出してきたはずなのである。つまり1,000~2,000Bq/kgぐらいの放射性セシウムであれば、日本のどこにでも灰の中に含まれていて、私たちは身近にそうした灰と暮らしてきたと思われるのである。そうしてみると、東北の震災瓦礫だけに神経質になるのはおかしいのではないか?

 一方で、こうも言える。宮崎県のデータによれば、木質ペレットに含まれる放射性セシウムが5Bq/kgに過ぎないのに対し、灰からは実に1,641Bq/kgという300倍以上に濃縮された放射性セシウムが検出されている。この計算でいくと、200Bq/kgの放射性セシウムを含んだ瓦礫を燃やすと60,000Bq/kgといった非常に高い放射性セシウムを含んだ焼却灰が生産されてしまう可能性がある。震災瓦礫の焼却を受け入れる自治体としては、こうしたリスクを十分考えて対応する必要があるだろう。

 今回の木質ペレットについては、「木を燃やせば放射性セシウムは出るもの」として受け入れるしか無いという可能性が高い。木質ペレットだけが放射性セシウムを含んでいるとは到底考えられない。どこの国のどんな木でも放射性セシウムが含まれていると考えなくてはならないと思われる。そうした事態を元に我々は放射性セシウムとどうつきあっていくかをしっかり考えていかなければならない。これを機会に、福島原発事故の影響を受けていない木の灰からどれだけ放射性セシウムが検出されているものなのか、広範囲な調査をしっかりしていただきたいと思う。
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by touten2010 | 2012-05-22 01:22 | 薪・炭・きのこ原木 | Comments(0)

福島原発事故の後、全ての日本人が放射能と向き合って暮らすことを運命付けられた。その一人として日々の放射能の情報を整理し、これに向き合う。
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