放射能に向き合う日々

クロダイの放射能汚染発覚が明らかにした「検査されていないもののリスク」

宮城県産のクロダイから、基準値を上回る放射性セシウムが次々と見つかっている。
最も高い値は3,300Bq/kgと基準値の実に33倍の値である。

宮城県沖のクロダイについては、福島県堺から仙台湾北部まで、広い地域で基準値高い放射能汚染が見られる。
10サンプルのうち実に7割が基準値超である。これだけ高い比率で基準値超の値が見つかっている魚種は他には無い。
マダラ、スズキ、ヒラメ等低層に住む魚に基準値を超えるものが見つかって出荷制限がかかっているが、こうした低層魚も基準値を超えているサンプルはほんの一部であり、宮城県沖のクロダイのように高い比率で見つかっているのでは無いのだ。

こうした事実は、「検査していないもはリスクが高い」という事実を改めて浮き彫りにしたといえる。

下記のデータで解るようにクロダイは福島県沖で去年の8月から100Bq/kgを超える高い値のものがでてきていたにもかかわらず、宮城県では検査がされておらず、初めて検査が行われたのは、今年の4月になってからである。急に汚染が高くなったのではなく、ただ単にこれまで検査がされていなかったのである。

ということは、当然のことだが、去年3月の原発事故から、今年6月28日に出荷制限がかかるまでの1年3か月の間、放射能汚染が高い宮城県産クロダイが、流通し、人の口に入っていた可能性が非常に高いというこである。

宮城県の水産業に占めるクロダイの漁獲高の比率はほんの一部であり、経済的価値はほとんどなく、重要な魚種とは言えない。

しかし、だからと言って、低層魚であり、隣県で高い放射能汚染がすでに見つかっていたクロダイについて、検査を行っていなかったのは、消費者を軽視した姿勢としか思えない。

宮城県は今回の件をきちんと反省し、低層魚の魚種に対する検査を徹底してもらいたい。

さもなければ、「震災で被害を受けた宮城県の水産業の復興応援するために、宮城県産の魚を食べて応援しよう」と行動している人たちを、裏切ることになる。

震災の被害者だからといって、原発事故の加害者に回ってよいということにはならない。

また、政府はなぜ宮城県産のクロダイだけにこれだけたかい放射能汚染がみられるのか、きちんと要因分析を行い、公表すべきである。

さもなければ「まだ調べられておらず、危険な魚種が沢山あるかもしれない」という消費者の不安を払しょくすることは不可能だろうし、宮城県産の水産物は消費者から敬遠されて、宮城県の水産業の復興は望めなくなるだろう。

○クロダイについてのこれまでの検査値

・宮城県
海域      公表日    放射性セシウム検出値(Bq/kg)
東松島市浜市沖2012年7月6日 3300
東松島市浜市沖2012年7月27日 850
亘理町吉田浜沖2012年6月27日  730
仙台湾北中部海域(七ヶ浜町菖蒲田浜沖)2012年6月18日 510
菖蒲田浜沖 2012年7月18日 490
東松島市浜市沖 2012年7月20日 140
亘理沖 2012年7月25日 140
東松島市浜市沖 2012年7月13日 96
東松島市浜市沖 2012年7月4日 27
亘理吉田沖 2012年4月6日 19

・福島県
久之浜沖 2011年12月7日240
久之浜沖 2012年6月20日 210
広野沖 2012年6月27日 210
沼之内沖 2012年5月23日 200
小浜沖 2012年2月8日 188
小浜沖 2011年11月16日 172
鹿島沖 2011年8月10日 137
鹿島沖 2011年8月3日 116
小浜沖 2012年3月21日 95
勿来沖 2012年7月25日 94
久之浜沖 2011年11月16日 92
小浜沖 2012年2月15日 79
広野沖 2011年10月19日 56
原町沖 2011年11月9日 13
沼之内沖 2012年7月4日 9.6

・茨城県
日立市沖 2012年5月29日 61
大洗町沖 2012年3月23日 42
ひたちなか市沖 2012年3月30日 29
ひたちなか市沖 2012年7月17日 26
鹿嶋市沖 2012年7月4日 21
鹿嶋市沖 2012年5月11日 20
鹿嶋市沖 2012年5月24日 19

・千葉県
富津沖2012年3月19日3.6


原子力災害対策特別措置法第20条第3項の規定に基づく食品の出荷制限の設定について
平成24年6月28日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002e5l6.html
以下について、宮城県知事及び栃木県知事に対し出荷制限を指示
(1)宮城県の一部海域(※)で漁獲されたクロダイ
(2)栃木県壬生町において産出された原木シイタケ(施設栽培)



・水産物の放射性物質調査の結果について~7月25日更新~ 水産庁
http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/index.html
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by touten2010 | 2012-07-29 23:23 | 水産物 | Comments(0)

福島原発事故の後、全ての日本人が放射能と向き合って暮らすことを運命付けられた。その一人として日々の放射能の情報を整理し、これに向き合う。
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