「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」の危険性
環境省より、環境における放射能汚染の除染の基準値を、「ひばく線量年間1ミリシーベルトとする」という方針について、国民の意見を問うパブリックコメントが出されている。締め切りが明日に迫っているが、その問題点を考えてみる。
・「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」等に対する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ) 環境省 平成23年10月17日
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14327
→「追加被ばく線量年間1ミリシーベルト」を根拠に、放射性物質汚染対処特措法第36条1項に基づき都道府県知事等に除染実施計画を定めることことを義務づける区域の要件を「その区域における放射線量が一時間あたり0.23マイクロシーベルト以上」と設定。意見提出締め切り10月26日
前回のブログコメントで示したように、食品安全委員会は「生涯累積実効線量を100ミリシーベルトにおさえる」ことが必要だという評価を出している。
これを基に考えると、食品による内部ひばくと、環境からの外部ひばくを合わせて100ミリシーベルトにしなければ、ガンの発生率が高まるなど、何らかの影響が出てしまうということになるだろう。
環境からの外部被曝の基準を年間1ミリシーベルト以下とすると、人生80年とすると、外部ひばくだけで、80ミリシーベルトとなり、これを生涯累積線量の下限の100ミリシーベルトから差し引くと、食品からの内部ひばくを生涯累積で20ミリシーベルト、年間に直すと20ミリシーベルト÷80年=0.25ミリシーベルトに抑えることが必要になる。
現行の食品衛生法の放射能汚染規制基準が年間5ミリシーベルトを基に規制値をさだめていることを考えると、現行の規制値を20分の1程度に抑えることが必要になってしまう。現行の規制値さえ、ヨーロッパやアメリカに比べて厳しいことを考えると、現行の食品衛生法の規制値を20分の1に抑えることは到底不可能だろう。
食品安全委員会の評価である年間100ミリシーベルトを人生80年で計算した値が1.25ミリシーベルトとなることから、例えば、外部ひばくと、内部ひばくを同程度に抑えることとすると、それぞれを年間0.625ミリシーベルト以下に抑えないと影響が出てしまうことになる。「放射性物質汚染対処特措法第11条第1項、第25条第1項、第32条第1項及び第36条第1項の環境省令で定める要件案」における「区域における放射線量」については1時間当たり0.23マイクロシーベルトではなく、1時間当たり0.16マイクロシーベルトに抑えないと影響が出てしまうということだ。
環境省の方針案には外部ひばくと内部ひばくの影響を合わせて考えると視点が欠けている。これは極めて非科学的で問題だ。
文部科学省の航空機モニタリングによると、環境の線量が1時間当たり0.2~0.5マイクロシーベルトの地帯は、東京近郊の人口密集地にもかなり広く存在する。北関東、東北はいわずもがなだ。
・文部科学省による埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果について(平成23年9月29日)(PDF:1829KB)
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/09/1910_092917_1.pdf
→図でみると、千葉県柏市、松戸市、我孫子市、白井市、印西市に0.2~0.5マイクロシーベルトの地域有り。
このまま外部ひばくと内部ひばくを切り離して考える方針が通ってしまうと、こうした地帯に済んでいる人たちには、将来何らかの影響が出てしまうことが考えらる。
厚生労働省の小宮山大臣は少なくとも外部ひばくと内部ひばくは合わせて100ミリシーベルトにおさえなければならないという認識にあるようだが、環境省が外部ひばくの基準を1ミリシーベルトにしようとしていることを知っているのか疑問だ。すくなくとも、環境省の外部ひばくの基準と厚生労働省の内部ひばくの基準を合わせて100ミリシーベルトにおさえなければならないということに気づいていないように思える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小宮山大臣閣議後記者会見概要(抜粋)
(H23.10.21(金)10:59 ~ 11:20 省内会見室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000001sm4x.html
(記者)
先程、食品の暫定規制値について、専門家の判断をまだ経ていない段階で大臣が暫定規制値を厳しくするということをおっしゃいましたが、これはその方向でよろしいのでしょうか。
(大臣)
今、示されているのが生涯を通して、内部被ばく、外部被ばく併せて100ミリシーベルトと言われていて、こういう形で出ると本当に毎年どういう形で設定したらいいかというのが非常に悩ましくやっている訳ですが、全体の中で、現在は食品の放射性物質の暫定規制値、許容できる線量を年間5ミリシーベルトという形でご承知のように設定しています。ただこれは、緊急時のものなので、現在の状況を踏まえて新たな規制値を設定して、更に食品の安全性を確保する必要がある。更に安全性を確保するということは厳しくするということだということを申し上げました。今後も、食品安全委員会の最終的な評価書が示された段階で、国際的な基準に照らして、そして専門家のご意見も伺いながら、基本的な考え方を厚労省として示したいと思っています。それは常識的に考えて緩くなるということではないでしょう、という意味で厳しくなるということを、申し上げました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はきちんと外部ひばくと内部ひばくをきちんと合わせて考えるように、環境からのひばく線量を年間1ミリシーベルトではなく、0.625ミリシーベルト程度に抑えるように、区域における放射線量については1時間当たり0.16マイクロシーベルトに抑えるように意見を出そうと思う。
・「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案」等に対する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ) 環境省 平成23年10月17日
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14327
→「追加被ばく線量年間1ミリシーベルト」を根拠に、放射性物質汚染対処特措法第36条1項に基づき都道府県知事等に除染実施計画を定めることことを義務づける区域の要件を「その区域における放射線量が一時間あたり0.23マイクロシーベルト以上」と設定。意見提出締め切り10月26日
前回のブログコメントで示したように、食品安全委員会は「生涯累積実効線量を100ミリシーベルトにおさえる」ことが必要だという評価を出している。
これを基に考えると、食品による内部ひばくと、環境からの外部ひばくを合わせて100ミリシーベルトにしなければ、ガンの発生率が高まるなど、何らかの影響が出てしまうということになるだろう。
環境からの外部被曝の基準を年間1ミリシーベルト以下とすると、人生80年とすると、外部ひばくだけで、80ミリシーベルトとなり、これを生涯累積線量の下限の100ミリシーベルトから差し引くと、食品からの内部ひばくを生涯累積で20ミリシーベルト、年間に直すと20ミリシーベルト÷80年=0.25ミリシーベルトに抑えることが必要になる。
現行の食品衛生法の放射能汚染規制基準が年間5ミリシーベルトを基に規制値をさだめていることを考えると、現行の規制値を20分の1程度に抑えることが必要になってしまう。現行の規制値さえ、ヨーロッパやアメリカに比べて厳しいことを考えると、現行の食品衛生法の規制値を20分の1に抑えることは到底不可能だろう。
食品安全委員会の評価である年間100ミリシーベルトを人生80年で計算した値が1.25ミリシーベルトとなることから、例えば、外部ひばくと、内部ひばくを同程度に抑えることとすると、それぞれを年間0.625ミリシーベルト以下に抑えないと影響が出てしまうことになる。「放射性物質汚染対処特措法第11条第1項、第25条第1項、第32条第1項及び第36条第1項の環境省令で定める要件案」における「区域における放射線量」については1時間当たり0.23マイクロシーベルトではなく、1時間当たり0.16マイクロシーベルトに抑えないと影響が出てしまうということだ。
環境省の方針案には外部ひばくと内部ひばくの影響を合わせて考えると視点が欠けている。これは極めて非科学的で問題だ。
文部科学省の航空機モニタリングによると、環境の線量が1時間当たり0.2~0.5マイクロシーベルトの地帯は、東京近郊の人口密集地にもかなり広く存在する。北関東、東北はいわずもがなだ。
・文部科学省による埼玉県及び千葉県の航空機モニタリングの測定結果について(平成23年9月29日)(PDF:1829KB)
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/09/1910_092917_1.pdf
→図でみると、千葉県柏市、松戸市、我孫子市、白井市、印西市に0.2~0.5マイクロシーベルトの地域有り。
このまま外部ひばくと内部ひばくを切り離して考える方針が通ってしまうと、こうした地帯に済んでいる人たちには、将来何らかの影響が出てしまうことが考えらる。
厚生労働省の小宮山大臣は少なくとも外部ひばくと内部ひばくは合わせて100ミリシーベルトにおさえなければならないという認識にあるようだが、環境省が外部ひばくの基準を1ミリシーベルトにしようとしていることを知っているのか疑問だ。すくなくとも、環境省の外部ひばくの基準と厚生労働省の内部ひばくの基準を合わせて100ミリシーベルトにおさえなければならないということに気づいていないように思える。
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小宮山大臣閣議後記者会見概要(抜粋)
(H23.10.21(金)10:59 ~ 11:20 省内会見室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000001sm4x.html
(記者)
先程、食品の暫定規制値について、専門家の判断をまだ経ていない段階で大臣が暫定規制値を厳しくするということをおっしゃいましたが、これはその方向でよろしいのでしょうか。
(大臣)
今、示されているのが生涯を通して、内部被ばく、外部被ばく併せて100ミリシーベルトと言われていて、こういう形で出ると本当に毎年どういう形で設定したらいいかというのが非常に悩ましくやっている訳ですが、全体の中で、現在は食品の放射性物質の暫定規制値、許容できる線量を年間5ミリシーベルトという形でご承知のように設定しています。ただこれは、緊急時のものなので、現在の状況を踏まえて新たな規制値を設定して、更に食品の安全性を確保する必要がある。更に安全性を確保するということは厳しくするということだということを申し上げました。今後も、食品安全委員会の最終的な評価書が示された段階で、国際的な基準に照らして、そして専門家のご意見も伺いながら、基本的な考え方を厚労省として示したいと思っています。それは常識的に考えて緩くなるということではないでしょう、という意味で厳しくなるということを、申し上げました。
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私はきちんと外部ひばくと内部ひばくをきちんと合わせて考えるように、環境からのひばく線量を年間1ミリシーベルトではなく、0.625ミリシーベルト程度に抑えるように、区域における放射線量については1時間当たり0.16マイクロシーベルトに抑えるように意見を出そうと思う。
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by touten2010
| 2011-10-25 22:43
食品の放射能汚染規制値が今の4分の1以下に厳格化される日に備えよう
小宮山厚生労働大臣が、21日の閣議後記者会見で、食品衛生法の放射能汚染に対する規制値を、現行より厳しくすると発言し、各テレビ局がニュースでとりあげている。
【原発】「厳しくなる」食品の規制値見直しへ(10/21 14:10) ANN ニュース
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/211021022.html
食品の規制値、厚労相「厳しくなる」 TBSニュース
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4857014.html
規制値を厳しくするという方向性は、食品安全委員会の検討結果からみると当然のことであり、その方向性はすでに7月末には明らかになっていたものである。
経緯を追ってみよう。
現行の食品衛生法の放射能汚染に対する暫定規制値は、原発事後の3月17日に、厚生労働省が急遽さだめたのである。
その数値は、原子力安全委員会が随分前に定めた原発事故に対する防災指針の中で示していたものをそのまま丸写ししたもので、厚生労働省としての検証はほとんど行っていないと考えて良いものである
その算定根拠の年間実効線量は、放射性ヨウ素で年間2ミリシーベルト、放射性セシウムで年間5ミリシーベルトであった。その実効線量以下に食品からの内部被曝がおさまるように、計算して、各種の食品における放射性物質の規制値(飲料水・牛乳200Bq/kg、野菜類・穀類・肉類等500Bq/kg)が、決められているのである。
・放射能汚染された食品の取り扱いについて 平成23年3月17日 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e.html
放射性セシウムの指標値を、飲料水・牛乳200Bq/kg、野菜類・穀類・肉類等500Bq/kgと設定。
・原子力施設等の防災対策について 原子力安全委員会 最終改正平成22年8月
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/history/59-15.pdf
5-3(3)p.23にて放射性セシウムの指標値を、飲料水・牛乳200Bq/kg、野菜類・穀類・肉類等500Bq/kgと設定。
その算定根拠の実効線量年間は、5ミリシーベルト(p.108に考え方を記載)
食品安全委員会は、この食品衛生法の暫定規制値を緊急時の暫定的なものには妥当なものだと3月に認めたが、通常の場合に適用することは不適切という見解の基、
通常の場合に適用するための、ワーキンググループを開催して、実効線量の上限値を検討してきた。
そして、ワーキンググループは、その実効線量は「生涯類累積で100ミリシーベルトである」と結論付け、7月29日からその評価案をホームページに掲載して、8月下旬まで一般から意見を求めた(パブリックコメント)。
そして現時点では、食品安全委員会にワーキンググループが作成した評価書が提出され、委員会で決定されて、厚生労働省にそれが通知される予定になっているのである。
・「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」[PDF:1,407KB]
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_risk_radio_230729.pdf
→生涯累積実効線量を100ミリシーベルトに設定(p.9参照)
・「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」の概要[PDF]
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_ann_gaiyo.pdf
・放射性物質の食品健康影響評価の状況について 食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka.html
今後、食品安全委員会において評価書案を確定し、厚生労働省へ評価結果を通知する予定であることを記載。
生涯累積で100ミリシーベルトということであれば、人生80年と計算して、年間実効線量は1.25ミリシーベルトとなる。それ以下に食品からの被曝を抑えるということになると、放射性セシウムだけで考えると年間実効線量5ミリシーベルトを基準としていたのであるから、基準となる実効線量が4分の1になるということであって、そこから計算して導き出している食品の放射性物質規制値も4分の1程度になるはずである。
規制値が4分の1程度になるということは随分厳しいような気もするが、食品以外の規制値について考えると、以下の通り、放射性物質が検出された汚泥の処理を行うときに汚泥処理の基準地については、6月の時点で既に周辺住民の被曝実効線量を「1ミリシーベルト以下におさえること」となっていた。食品の規制値の基準を仮に1.25ミリシーベルトとし現行の規制値を4分の1にしても、汚泥の規制値の基準地である1ミリシーベルトにくらべるとまだ規制は緩いのである。
・「放射性物質が検出された上下水処理副次産物の当面の取り扱いに関する考え方」について 国土交通省 6月16日
http://www.mlit.go.jp/common/000147621.pdf
→汚泥について
放射性物質が検出された上下水道処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方 6月16日政府原子力災害対策本部(別紙)では、「「処理・輸送・保管に伴い、周辺住民の受ける線量が年間1ミリシーベルトを超えないようにする」「処分施設の管理期間終了以後、周辺住民の受ける線量が年間10マイクロシーベルト以下になるようにする」と明記
しかし、科学者の集まりである食品安全委員会が、多くの文献を精査してこういった結論を下したのであり、汚泥の規制値を決めた時よりも格段に時間をかけて精密な検討作業が行われたのであるから、「汚泥より緩いから問題だ」ということは言えないだろう。食品安全委員会の「報告書(案)」は何百ページもあり、言葉は解かりにくいが、非常に貴重な情報が含まれているので、是非多くの人に読んでもらいたい。
問題は、8月下旬に食品安全委員会が一般からの意見提出を締め切ってから、2ヶ月近くたっても、食品安全委員会へこの評価書が提出されないことだ。
食品安全委員会の評価はあくまでも人の浴びる実効線量の評価にとどまっているので、そこから食品の放射性物質の規制値を導き出す作業は全く別で、これは厚生労働省が行うものである。現状の暫定規制値と全く同じように、原子力安全委員会が用いている計算の仕方をそのまままねるということでは、厚生労働省としてしっかり検討をしないということになり、不適切だろう。
厚生労働省の方向性はどうだろうか。
・小宮山厚生労働大臣共同記者会見概要(H23.09.05(月)13:30~14:03 省内会見室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000001nymg.html
「原発事故の関係では、・・・特に皆さんの関心の高い食の安全の問題、これは、他の内閣府などとも連携をとりながらしっかり安全の基準をと。今は暫定の基準でやっておりますが、そこをしっかりとした基準値が作れるようにと。ただ、これは、生涯を通してというような数字が出ているのでやり方は、大変難しいと思っていますが、安全をしっかり確保しながら、しかも、現実的な中で対応できるようなものを作るようにしたいと思っています。」
厚生労働省の方向性は、食品安全委員会の「生涯累積実効線量100ミリシーベルト」を踏まえて、食品の実態を踏まえたものとしたいというものだと憶測される。食べることは無いお茶の規制値を食品と同じにしていることは厳しすぎないか、水に戻して食べるものである干ししいたけを、通常の食品と同じような規制値で規制してよいのか、実態とあわせて規制値を考える必要のある食品はいろいろあるだろう。
とりあえず、TBSのニュースだと、「今月中に」遅れに遅れていた食品安全委員会の評価が決定されそうだ。食品安全委員会の次回開催は10月27日の木曜日である、今月中と言えばその日しかないだろう。どのような答申が出るのか、是非多くの人に関心を持ってみてもらいたい。また、その後の厚生労働省による実際の食品の規制値の検討も、オープンで科学的な検討が、消費者や生産者・食品事業者から実情や意見を良く聞いてなされるべきである。こちらも多くの人たちに注目してみてもらいたい。
・今後の食品安全委員会等開催予定
平成23年10月27日(木) 14:00~ 食品安全委員会(第405回)
http://www.fsc.go.jp/iinkai/iinkai_yotei.html
生産者や食品事業者は、規制値が4分の1以下の厳しい値になったとき、体制をどうするかを今から早急に検討しておく必要がある。生産者はこれまで出荷できていたものが出荷できなくなる可能性がある。流通業者はいま抱えている在庫で売ることができなくなるものが出てくる可能性がある。こうした事態に備えて、しっかり準備をしてくことが必要になるだろう。
消費者も、業界から圧力がかかって、厚生労働省が規制値を食品安全委員会の評価よりも緩いものにしてしまわないかどうか、検討の行方を監視していく必要があるだろう。当面食品安全委員会と厚生労働省のホームページから目が離せない。
【原発】「厳しくなる」食品の規制値見直しへ(10/21 14:10) ANN ニュース
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/211021022.html
食品の規制値、厚労相「厳しくなる」 TBSニュース
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4857014.html
規制値を厳しくするという方向性は、食品安全委員会の検討結果からみると当然のことであり、その方向性はすでに7月末には明らかになっていたものである。
経緯を追ってみよう。
現行の食品衛生法の放射能汚染に対する暫定規制値は、原発事後の3月17日に、厚生労働省が急遽さだめたのである。
その数値は、原子力安全委員会が随分前に定めた原発事故に対する防災指針の中で示していたものをそのまま丸写ししたもので、厚生労働省としての検証はほとんど行っていないと考えて良いものである
その算定根拠の年間実効線量は、放射性ヨウ素で年間2ミリシーベルト、放射性セシウムで年間5ミリシーベルトであった。その実効線量以下に食品からの内部被曝がおさまるように、計算して、各種の食品における放射性物質の規制値(飲料水・牛乳200Bq/kg、野菜類・穀類・肉類等500Bq/kg)が、決められているのである。
・放射能汚染された食品の取り扱いについて 平成23年3月17日 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e.html
放射性セシウムの指標値を、飲料水・牛乳200Bq/kg、野菜類・穀類・肉類等500Bq/kgと設定。
・原子力施設等の防災対策について 原子力安全委員会 最終改正平成22年8月
http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/history/59-15.pdf
5-3(3)p.23にて放射性セシウムの指標値を、飲料水・牛乳200Bq/kg、野菜類・穀類・肉類等500Bq/kgと設定。
その算定根拠の実効線量年間は、5ミリシーベルト(p.108に考え方を記載)
食品安全委員会は、この食品衛生法の暫定規制値を緊急時の暫定的なものには妥当なものだと3月に認めたが、通常の場合に適用することは不適切という見解の基、
通常の場合に適用するための、ワーキンググループを開催して、実効線量の上限値を検討してきた。
そして、ワーキンググループは、その実効線量は「生涯類累積で100ミリシーベルトである」と結論付け、7月29日からその評価案をホームページに掲載して、8月下旬まで一般から意見を求めた(パブリックコメント)。
そして現時点では、食品安全委員会にワーキンググループが作成した評価書が提出され、委員会で決定されて、厚生労働省にそれが通知される予定になっているのである。
・「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」[PDF:1,407KB]
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_risk_radio_230729.pdf
→生涯累積実効線量を100ミリシーベルトに設定(p.9参照)
・「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」の概要[PDF]
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_ann_gaiyo.pdf
・放射性物質の食品健康影響評価の状況について 食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka.html
今後、食品安全委員会において評価書案を確定し、厚生労働省へ評価結果を通知する予定であることを記載。
生涯累積で100ミリシーベルトということであれば、人生80年と計算して、年間実効線量は1.25ミリシーベルトとなる。それ以下に食品からの被曝を抑えるということになると、放射性セシウムだけで考えると年間実効線量5ミリシーベルトを基準としていたのであるから、基準となる実効線量が4分の1になるということであって、そこから計算して導き出している食品の放射性物質規制値も4分の1程度になるはずである。
規制値が4分の1程度になるということは随分厳しいような気もするが、食品以外の規制値について考えると、以下の通り、放射性物質が検出された汚泥の処理を行うときに汚泥処理の基準地については、6月の時点で既に周辺住民の被曝実効線量を「1ミリシーベルト以下におさえること」となっていた。食品の規制値の基準を仮に1.25ミリシーベルトとし現行の規制値を4分の1にしても、汚泥の規制値の基準地である1ミリシーベルトにくらべるとまだ規制は緩いのである。
・「放射性物質が検出された上下水処理副次産物の当面の取り扱いに関する考え方」について 国土交通省 6月16日
http://www.mlit.go.jp/common/000147621.pdf
→汚泥について
放射性物質が検出された上下水道処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方 6月16日政府原子力災害対策本部(別紙)では、「「処理・輸送・保管に伴い、周辺住民の受ける線量が年間1ミリシーベルトを超えないようにする」「処分施設の管理期間終了以後、周辺住民の受ける線量が年間10マイクロシーベルト以下になるようにする」と明記
しかし、科学者の集まりである食品安全委員会が、多くの文献を精査してこういった結論を下したのであり、汚泥の規制値を決めた時よりも格段に時間をかけて精密な検討作業が行われたのであるから、「汚泥より緩いから問題だ」ということは言えないだろう。食品安全委員会の「報告書(案)」は何百ページもあり、言葉は解かりにくいが、非常に貴重な情報が含まれているので、是非多くの人に読んでもらいたい。
問題は、8月下旬に食品安全委員会が一般からの意見提出を締め切ってから、2ヶ月近くたっても、食品安全委員会へこの評価書が提出されないことだ。
食品安全委員会の評価はあくまでも人の浴びる実効線量の評価にとどまっているので、そこから食品の放射性物質の規制値を導き出す作業は全く別で、これは厚生労働省が行うものである。現状の暫定規制値と全く同じように、原子力安全委員会が用いている計算の仕方をそのまままねるということでは、厚生労働省としてしっかり検討をしないということになり、不適切だろう。
厚生労働省の方向性はどうだろうか。
・小宮山厚生労働大臣共同記者会見概要(H23.09.05(月)13:30~14:03 省内会見室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000001nymg.html
「原発事故の関係では、・・・特に皆さんの関心の高い食の安全の問題、これは、他の内閣府などとも連携をとりながらしっかり安全の基準をと。今は暫定の基準でやっておりますが、そこをしっかりとした基準値が作れるようにと。ただ、これは、生涯を通してというような数字が出ているのでやり方は、大変難しいと思っていますが、安全をしっかり確保しながら、しかも、現実的な中で対応できるようなものを作るようにしたいと思っています。」
厚生労働省の方向性は、食品安全委員会の「生涯累積実効線量100ミリシーベルト」を踏まえて、食品の実態を踏まえたものとしたいというものだと憶測される。食べることは無いお茶の規制値を食品と同じにしていることは厳しすぎないか、水に戻して食べるものである干ししいたけを、通常の食品と同じような規制値で規制してよいのか、実態とあわせて規制値を考える必要のある食品はいろいろあるだろう。
とりあえず、TBSのニュースだと、「今月中に」遅れに遅れていた食品安全委員会の評価が決定されそうだ。食品安全委員会の次回開催は10月27日の木曜日である、今月中と言えばその日しかないだろう。どのような答申が出るのか、是非多くの人に関心を持ってみてもらいたい。また、その後の厚生労働省による実際の食品の規制値の検討も、オープンで科学的な検討が、消費者や生産者・食品事業者から実情や意見を良く聞いてなされるべきである。こちらも多くの人たちに注目してみてもらいたい。
・今後の食品安全委員会等開催予定
平成23年10月27日(木) 14:00~ 食品安全委員会(第405回)
http://www.fsc.go.jp/iinkai/iinkai_yotei.html
生産者や食品事業者は、規制値が4分の1以下の厳しい値になったとき、体制をどうするかを今から早急に検討しておく必要がある。生産者はこれまで出荷できていたものが出荷できなくなる可能性がある。流通業者はいま抱えている在庫で売ることができなくなるものが出てくる可能性がある。こうした事態に備えて、しっかり準備をしてくことが必要になるだろう。
消費者も、業界から圧力がかかって、厚生労働省が規制値を食品安全委員会の評価よりも緩いものにしてしまわないかどうか、検討の行方を監視していく必要があるだろう。当面食品安全委員会と厚生労働省のホームページから目が離せない。
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by touten2010
| 2011-10-23 23:09
| 食品基準値
原子力帝国の逆襲が始まった
原子力帝国の逆襲が始まった
民主党政権が急速に脱原発路線から原発推進路線へ転回しつつある。
10月5日の朝日新聞の記事によるとこうだ。
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前原誠政調会長は4日、原発定期検査後の再稼動やエネルギー政策を議論する党のプロジェクトチームの座長に大畠章宏元経済産業相の起用を発表。大畠氏は日立製作所出身で、原発プラントの設計に関わっていた党内きっての原発推進派だ。・・・管直人に近い脱原発派のベテラン議員は、「露骨な人選、電力系労組を入れた連合の脱原発の結論は重い」と警戒感を強めるが、藤村修官房長官は4日の記者会見で、連合の方針転換について「国民各層のお声の一つとして今後検討していく」と突き放した。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ここでいう「連合の方針転換」とは、4日の大会で示された「中長期的に原子力への依存度を低減させ、最終的には原子力に依存しない社会を作る」という方針であるが、その転換も実は不透明なもので、古賀会長は産経新聞の記事によると、「脱原発や原発推進という二項対立の議論を行うべきではない」と発言したようで、脱原発を宣言したというにしては、かなり及び腰な発言である。
・岐路に立つ連合 民主党とじわり距離 内部の軋轢も表面化 2011.10.4 23:40 Msn 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111004/stt11100423420013-n1.htm
朝日新聞の取り上げている、官房長官の「冷たく突き放した」という発言はどのようなものだったのだろうか。
官房長官の記者会見の動画を聞いて、発言を活字に起こしてみると、このような発言だった。
・平成23年10月4日(火)午後-内閣官房長官記者会見
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5353.html
*官房長官
連合が脱原発依存の社会を目指すという方針を今日明らかにされたと、古賀会長が、中長期的に原子力エネルギーに対する依存度を低減し、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指す必要がある、まあそういう内容であったと思います。
(以下原稿に目を落として棒読み)政府としては2030年までをにらんだ現在のエネルギー基本計画を白紙から見直すということにしておりまして、来年の夏を目途として新しい計画を打ち出そうとしております。エネルギー安全保障の観点や費用分析などを踏まえ、国民の皆様が安心できる中長期的なエネルギー構成のあり方を、幅広く国民各層のご意見を伺い、また総合エネルギー庁、原子力政策大綱策定会議と連携をしながら、エネルギー環境会議を中心に冷静に検討をしていくこととしております。様々なご意見を幅広くお伺いすると、そして検討を進めていくという姿勢でおります。
*記者
連合が新しい方針を出されたということについての、政権の方針への影響というのはどうなりますか。
*官房長官
あの、国民各層のお声の一つとして、連合の皆さんのご意見も踏まえて、今回検討していくということになると思います。
私としては、余り冷たい印象は受けかったが、朝日新聞の記者に冷たく聞こえた理由は何だろう。そう言えば、野田総理大臣は就任時に国会で所信表明演説の中で、「中長期的には原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべきです。」言っていたはずである。
総理発言時と方針が変わらないとすると、「我々のスタンスは連合の新しい方針と同じです」と言うはずであって、そう言わなかったということは、民主党は野田総理が所信表明で示した方針を早くも後退させて、原発推進の方針に転換したということなのだろう。朝日新聞の記者はそうした裏事情が解かっているので、「ああこれは冷たく突き放している発言だな」という解釈ができたということなのだろう。
(参考)
・平成23年9月13日(火曜日)衆議院本会議 野田総理大臣所信表明演説(抜粋)
原子力発電について、脱原発と推進という二項対立でとらえるのは不毛です。中長期的には原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべきです。同時に、安全性を徹底的に検証、確認された原発については、地元自治体との信頼関係を構築することを大前提として、定期検査後の再稼働を進めます。
それよりも、ここで重要なのは、官房長官の発言に出てくる「エネルギーの安全保障」「費用分析」「国民の皆様が安心でいる中長期的なエネルギー構成」といった言葉は、全て、これまで原発推進の必要性を経済産業省や電力会社が説明する際に語られてきた言葉であって、「原子力への依存度を低下させていく」という方向性は全く見えないということだ。
「エネルギーの安全保障」「国民の皆様が安心でいられる中長期的なエネルギー構成」とは「石油にばかり頼っていたのでは危険だから原発を推進すべきだ」ということを言う際に、「費用分析」とは、「原発はもっとも発電コストの安い電力を生み出すものだから推進すべきだ」ということを言う際に、原発事故が起きるまえにいつも経済産業省・電力会社が言ってきた言葉である。
動画を見るとここの部分の官房長発言は、ほとんど終始原稿から目を離さず、全くの原稿棒読みであるであることが解かる。この点も重要だ、恐らく経済産業省出身の官僚が用意した答弁をそのまま読んでいるということだと思われる。
野田政権は既に経済産業省・ひいては東京電力の軍門に下った、いや積極的に原子力発電推進に転換し、原発事故前の時点に時計の針を戻したということは確実なようだ。
そういえば、9月22日の総理の国連スピーチでは既に「原発への依存度を可能な限り引き下げていく」という発言は消滅していた。
・原子力安全及び核セキュリティに関する国連ハイレベル会合 野田総理大臣スピーチ 平成23年9月22日
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201109/22speech.html
9.日本は、原子力発電の安全性を世界最高水準に高めます。
10.日本は、原子力利用を模索する国々の関心に応えます。
13.エネルギーは、経済の「血液」であり、日常生活の基盤です。広くは、人類の平和と繁栄を左右します。我々の世代だけでなく、子々孫々の幸福の礎石です。次なる行動について長く迷い続ける余裕はありません。科学技術を最大限に動員し、合理性に立脚し、そして、早急に次なる行動を定めなければなりません。
それどころか、今になってよくよく振り返ってみると、このスピーチは「感情的に脱原発を行うのではなく、迷わず合理的に、原発を推進すべき」と言っているのであって、脱原発の方向性は微塵もあらわされていないという見方もできる、というか、現時点での流れを見てさかのぼって考えてみると、そういう見方しかできない。
このときに既に所信表明で示された「原発への依存度を少なくしていく」という方針は消滅していたということなのだろう。
いやそもそも、国会において所信表明で示された「原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべき」という言葉は、「原子力発電について、脱原発と推進という二対立でとらえるのは不毛」という言葉で全総理の打ち出した脱原発方針に対して、「脱原発はしません」という方針を明示しつつ、原発の「定期検査後の再稼動を進めます」ということを言うための、前ふり、枕言葉に過ぎなかったのではないか。「可能な限り」という言葉で、将来的に「原発の比率を低くとどめておくのは難しいので、原発を推進しその依存度を高めていく」という方向転換を担保したということなのだろう。
このままだと、官房長官の言っている「来年の夏を目途とした新しいエネルギー計画」で、「矢張りこれからも原発はどんどん作っていきます」という方針が出てくることは目に見えている。
したがって、今放射能の不安を感じている方たちは是非、以下の事実を踏まえて行動して欲しい。
1.今の民主党政権、特に野田・前原体制が続く限り、原発の推進へ政府が突き進むことは確実である。又元々原発を推進していた自民党が政権に返り咲いても、原発が推進され続けることは確実である。
2.今の野田・前原体制は、各種の演説や記者会見の場における細かな言葉の変更により、元々電力会社におもねっているマスコミとタッグを組んで、なし崩しに原発推進への方向転間を実現するつもりである。マスコミの役回りは「民主党にも自民党にも労働組合にも原発推進派が多いんだから、脱原発なんてそもそもできるわけないよね」とあきらめムードの世論を形成していく「地ならし」役である。
つまり、「いつ事故が起こるかわからない原発はもう推進すべきでない」「子ども達に原発の無い明るい未来を引き継ぎたい」と思っている方々は、今すぐに立ち上がって行動しなければならない。油断していると、カエルがすこしづつ浸っている水の温度を上げられると、気がつかずにゆであがって死んでしまうように、いつの間にか「原発反対を考えているのは、少数の人たちだけで、その人たちは政府・電力会社からにらまれて生活の糧さえ奪われ、惨めな生活を送っている」という原発事故前の日本に戻ってしまう。
野田総理・前原政調会長は
・原発事故はいまだに収束せず、事故原発周辺住民はいまだに家に帰る目処が立たず、各地をさまよっている。
・東日本一体に撒き散らされた放射能は、どこまでどの程度汚染が広がっているのか、まだ全く全容が解明されておらず、食品の放射能汚染も検出され続けていて、汚染が収まる気配が無い。汚染食品を食卓にのぼらせないような手立てもずさんで、得に放射能汚染牛肉の行方は発覚後3ヶ月以上たても、どこへいったのか数分の一しか行方が解明されていない。
といった状態であり、しかもそれが全く改善の目処がたっていない段階であるにもかかわらず、もう原発推進を打ち出すような政治家なのだということを、国民はしっかり認識しておくべきである。
雰囲気で脱原発は達成されない。誰かが達成してくれるわけでもない。それを望む一人ひとりが行動を起こさなければ脱原発は達成されない。
とりあえず、わたしは、官房長官記者会見に対して、以下のような意見をメールで送ろうと思う。
「民主党政権は、福島原発の事故を反省して、管総理が脱原発の方針を名言したはずである。それを国民に対して意見を図ることもせずに、いきなり原発推進へ方針転換を図るとは、国民を馬鹿にしている。即刻野田総理は退陣すべきだ。民主党政権はいますぐにも衆議院を解散して、原発推進の是非を国民に問うべきである。もう私たちは、子ども達を放射能の恐怖におびえさせ、いつ大事故が起きてこどもたちの未来が全く失われてしまうかもしれないような社会に暮らしていくのは嫌です。いますぐに、民主党は脱原発をしっかり実現してくれる政党に政権を譲り渡してください。
このブログを読んでいるひとも、是非考えて欲しい。
・連合、原発政策見直しへ 推進から脱原発依存に転換 2011.10.2 21:53 Msn 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111002/stt11100221550009-n1.htm
・岐路に立つ連合 民主党とじわり距離 内部の軋轢も表面化 2011.10.4 23:40 Msn 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111004/stt11100423420013-n1.htm
民主党政権が急速に脱原発路線から原発推進路線へ転回しつつある。
10月5日の朝日新聞の記事によるとこうだ。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
前原誠政調会長は4日、原発定期検査後の再稼動やエネルギー政策を議論する党のプロジェクトチームの座長に大畠章宏元経済産業相の起用を発表。大畠氏は日立製作所出身で、原発プラントの設計に関わっていた党内きっての原発推進派だ。・・・管直人に近い脱原発派のベテラン議員は、「露骨な人選、電力系労組を入れた連合の脱原発の結論は重い」と警戒感を強めるが、藤村修官房長官は4日の記者会見で、連合の方針転換について「国民各層のお声の一つとして今後検討していく」と突き放した。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ここでいう「連合の方針転換」とは、4日の大会で示された「中長期的に原子力への依存度を低減させ、最終的には原子力に依存しない社会を作る」という方針であるが、その転換も実は不透明なもので、古賀会長は産経新聞の記事によると、「脱原発や原発推進という二項対立の議論を行うべきではない」と発言したようで、脱原発を宣言したというにしては、かなり及び腰な発言である。
・岐路に立つ連合 民主党とじわり距離 内部の軋轢も表面化 2011.10.4 23:40 Msn 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111004/stt11100423420013-n1.htm
朝日新聞の取り上げている、官房長官の「冷たく突き放した」という発言はどのようなものだったのだろうか。
官房長官の記者会見の動画を聞いて、発言を活字に起こしてみると、このような発言だった。
・平成23年10月4日(火)午後-内閣官房長官記者会見
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5353.html
*官房長官
連合が脱原発依存の社会を目指すという方針を今日明らかにされたと、古賀会長が、中長期的に原子力エネルギーに対する依存度を低減し、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指す必要がある、まあそういう内容であったと思います。
(以下原稿に目を落として棒読み)政府としては2030年までをにらんだ現在のエネルギー基本計画を白紙から見直すということにしておりまして、来年の夏を目途として新しい計画を打ち出そうとしております。エネルギー安全保障の観点や費用分析などを踏まえ、国民の皆様が安心できる中長期的なエネルギー構成のあり方を、幅広く国民各層のご意見を伺い、また総合エネルギー庁、原子力政策大綱策定会議と連携をしながら、エネルギー環境会議を中心に冷静に検討をしていくこととしております。様々なご意見を幅広くお伺いすると、そして検討を進めていくという姿勢でおります。
*記者
連合が新しい方針を出されたということについての、政権の方針への影響というのはどうなりますか。
*官房長官
あの、国民各層のお声の一つとして、連合の皆さんのご意見も踏まえて、今回検討していくということになると思います。
私としては、余り冷たい印象は受けかったが、朝日新聞の記者に冷たく聞こえた理由は何だろう。そう言えば、野田総理大臣は就任時に国会で所信表明演説の中で、「中長期的には原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべきです。」言っていたはずである。
総理発言時と方針が変わらないとすると、「我々のスタンスは連合の新しい方針と同じです」と言うはずであって、そう言わなかったということは、民主党は野田総理が所信表明で示した方針を早くも後退させて、原発推進の方針に転換したということなのだろう。朝日新聞の記者はそうした裏事情が解かっているので、「ああこれは冷たく突き放している発言だな」という解釈ができたということなのだろう。
(参考)
・平成23年9月13日(火曜日)衆議院本会議 野田総理大臣所信表明演説(抜粋)
原子力発電について、脱原発と推進という二項対立でとらえるのは不毛です。中長期的には原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべきです。同時に、安全性を徹底的に検証、確認された原発については、地元自治体との信頼関係を構築することを大前提として、定期検査後の再稼働を進めます。
それよりも、ここで重要なのは、官房長官の発言に出てくる「エネルギーの安全保障」「費用分析」「国民の皆様が安心でいる中長期的なエネルギー構成」といった言葉は、全て、これまで原発推進の必要性を経済産業省や電力会社が説明する際に語られてきた言葉であって、「原子力への依存度を低下させていく」という方向性は全く見えないということだ。
「エネルギーの安全保障」「国民の皆様が安心でいられる中長期的なエネルギー構成」とは「石油にばかり頼っていたのでは危険だから原発を推進すべきだ」ということを言う際に、「費用分析」とは、「原発はもっとも発電コストの安い電力を生み出すものだから推進すべきだ」ということを言う際に、原発事故が起きるまえにいつも経済産業省・電力会社が言ってきた言葉である。
動画を見るとここの部分の官房長発言は、ほとんど終始原稿から目を離さず、全くの原稿棒読みであるであることが解かる。この点も重要だ、恐らく経済産業省出身の官僚が用意した答弁をそのまま読んでいるということだと思われる。
野田政権は既に経済産業省・ひいては東京電力の軍門に下った、いや積極的に原子力発電推進に転換し、原発事故前の時点に時計の針を戻したということは確実なようだ。
そういえば、9月22日の総理の国連スピーチでは既に「原発への依存度を可能な限り引き下げていく」という発言は消滅していた。
・原子力安全及び核セキュリティに関する国連ハイレベル会合 野田総理大臣スピーチ 平成23年9月22日
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201109/22speech.html
9.日本は、原子力発電の安全性を世界最高水準に高めます。
10.日本は、原子力利用を模索する国々の関心に応えます。
13.エネルギーは、経済の「血液」であり、日常生活の基盤です。広くは、人類の平和と繁栄を左右します。我々の世代だけでなく、子々孫々の幸福の礎石です。次なる行動について長く迷い続ける余裕はありません。科学技術を最大限に動員し、合理性に立脚し、そして、早急に次なる行動を定めなければなりません。
それどころか、今になってよくよく振り返ってみると、このスピーチは「感情的に脱原発を行うのではなく、迷わず合理的に、原発を推進すべき」と言っているのであって、脱原発の方向性は微塵もあらわされていないという見方もできる、というか、現時点での流れを見てさかのぼって考えてみると、そういう見方しかできない。
このときに既に所信表明で示された「原発への依存度を少なくしていく」という方針は消滅していたということなのだろう。
いやそもそも、国会において所信表明で示された「原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべき」という言葉は、「原子力発電について、脱原発と推進という二対立でとらえるのは不毛」という言葉で全総理の打ち出した脱原発方針に対して、「脱原発はしません」という方針を明示しつつ、原発の「定期検査後の再稼動を進めます」ということを言うための、前ふり、枕言葉に過ぎなかったのではないか。「可能な限り」という言葉で、将来的に「原発の比率を低くとどめておくのは難しいので、原発を推進しその依存度を高めていく」という方向転換を担保したということなのだろう。
このままだと、官房長官の言っている「来年の夏を目途とした新しいエネルギー計画」で、「矢張りこれからも原発はどんどん作っていきます」という方針が出てくることは目に見えている。
したがって、今放射能の不安を感じている方たちは是非、以下の事実を踏まえて行動して欲しい。
1.今の民主党政権、特に野田・前原体制が続く限り、原発の推進へ政府が突き進むことは確実である。又元々原発を推進していた自民党が政権に返り咲いても、原発が推進され続けることは確実である。
2.今の野田・前原体制は、各種の演説や記者会見の場における細かな言葉の変更により、元々電力会社におもねっているマスコミとタッグを組んで、なし崩しに原発推進への方向転間を実現するつもりである。マスコミの役回りは「民主党にも自民党にも労働組合にも原発推進派が多いんだから、脱原発なんてそもそもできるわけないよね」とあきらめムードの世論を形成していく「地ならし」役である。
つまり、「いつ事故が起こるかわからない原発はもう推進すべきでない」「子ども達に原発の無い明るい未来を引き継ぎたい」と思っている方々は、今すぐに立ち上がって行動しなければならない。油断していると、カエルがすこしづつ浸っている水の温度を上げられると、気がつかずにゆであがって死んでしまうように、いつの間にか「原発反対を考えているのは、少数の人たちだけで、その人たちは政府・電力会社からにらまれて生活の糧さえ奪われ、惨めな生活を送っている」という原発事故前の日本に戻ってしまう。
野田総理・前原政調会長は
・原発事故はいまだに収束せず、事故原発周辺住民はいまだに家に帰る目処が立たず、各地をさまよっている。
・東日本一体に撒き散らされた放射能は、どこまでどの程度汚染が広がっているのか、まだ全く全容が解明されておらず、食品の放射能汚染も検出され続けていて、汚染が収まる気配が無い。汚染食品を食卓にのぼらせないような手立てもずさんで、得に放射能汚染牛肉の行方は発覚後3ヶ月以上たても、どこへいったのか数分の一しか行方が解明されていない。
といった状態であり、しかもそれが全く改善の目処がたっていない段階であるにもかかわらず、もう原発推進を打ち出すような政治家なのだということを、国民はしっかり認識しておくべきである。
雰囲気で脱原発は達成されない。誰かが達成してくれるわけでもない。それを望む一人ひとりが行動を起こさなければ脱原発は達成されない。
とりあえず、わたしは、官房長官記者会見に対して、以下のような意見をメールで送ろうと思う。
「民主党政権は、福島原発の事故を反省して、管総理が脱原発の方針を名言したはずである。それを国民に対して意見を図ることもせずに、いきなり原発推進へ方針転換を図るとは、国民を馬鹿にしている。即刻野田総理は退陣すべきだ。民主党政権はいますぐにも衆議院を解散して、原発推進の是非を国民に問うべきである。もう私たちは、子ども達を放射能の恐怖におびえさせ、いつ大事故が起きてこどもたちの未来が全く失われてしまうかもしれないような社会に暮らしていくのは嫌です。いますぐに、民主党は脱原発をしっかり実現してくれる政党に政権を譲り渡してください。
このブログを読んでいるひとも、是非考えて欲しい。
・連合、原発政策見直しへ 推進から脱原発依存に転換 2011.10.2 21:53 Msn 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111002/stt11100221550009-n1.htm
・岐路に立つ連合 民主党とじわり距離 内部の軋轢も表面化 2011.10.4 23:40 Msn 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111004/stt11100423420013-n1.htm
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by touten2010
| 2011-10-09 16:38
リスク管理されないイノシシ肉やシカ肉の放射能汚染
宮城県、福島県、茨城県、栃木県といった広範囲において、イノシシやシカの肉から食品衛生法上の暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されている。
事故原発の状況が安定に向かい、牛肉や、野生のキノコといった限定的な農産物にしか暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されない状況になっているいま、これほど広範囲の産物で暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されているのは他には無く、イノシシやシカの肉といった野生動物の肉が今もっとも放射能汚染リスクの高い食物となっている。
厚生労働省も、8月30日に各県に対し、野生獣肉のモニタリング調査を強化するように東北・関東の大部分の県に指示を出した。
ところが、この指示が出て一ヶ月近く立った現在になっても、この各県のモニタリング調査は全く進展を見せない。
福島、宮城といったもっとも重要な当事者である県が、モニタリング調査をしていない。
茨城県は熱心にモニタリング調査を実施しているが、なぜかイノシシのみで、シカの調査をしていない。
栃木県はシカとイノシシ両方について調査を行っているが、いかんせん調査件数が少なすぎる。
困るのは、2,000~3,000Bq/kgといった高い放射性セシウムを検出しているのが、いずれも自治体の検査ではなく、猟友会などの民間の自主的な調査によるものであり、検査機関も明らかでないので、どの程度の精度で行われた検査で、その結果に信憑性があるのかないのかがわからないことだ。茨城県はきちんと県の機関で検査をしており、広範囲のイノシシ肉から暫定規制値を上回るものが検出されているので、問題があるのは確かなようだ。
いかし、栃木県の民間検査の後追い検査では、暫定規制値を上回るものは見つかっておらず、問題があるのかどうかが良く解からない。
そもそもなぜ野生動物の獣肉から高い放射性セシウムが検出されるのか、そのメカニズムの調査が全く行われていない。
獣肉を食べ続けるような食生活を送っているのは、猟師さんぐらいしかいないであろうから、狩猟免許を持っている人に注意喚起を徹底すれば、健康被害は無いと思われるので、問題は無いのかもしれない。
しかし、獣肉が汚染されている要因は、他の農産物への汚染要因につながっているかもしれない。
また、余り問題が無いようであれば、獣肉の摂取の自粛を早急に解禁すべきである。シカやイノシシは狩られなければその数が増えてしまい、鳥獣害が深刻なものになってしまう。
消費者はジビエ料理を避けるといったような自己防衛措置をとる必要は無いと思うが、国と自治体のリスク管理措置が徹底されないのは、大きな問題である。一刻も早く広汎なモニタリング調査の徹底と原因の早急な解明が必要である。
農水省も厚生省もこの問題には熱心でないようであり、農水省は食肉の汚染状況の整理データにイノシシやシカの肉について全くとりあげていない。こうした点も大きな問題である
○福島第一原子力発電所事故による野生鳥獣への放射線影響について 8月30日 環境省
http://www.env.go.jp/jishin/attach/no110830002.pdf
○野生動物(イノシシ)の肉における放射性核種の濃度測定結果について(2011年8月26日)福島県
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/shizen23-
naibuhibaku.pdf
NPO法人ふくしまワイルドライフ・市民&科学者フォーラムの検査で、二本松市捕獲:563~3,074Bq/kg、南相馬市捕獲:1,667~3,221Bq/kg、相馬市捕獲:1,210Bq/kgを検出。
相双地区、県北地区におけるイノシシの自家消費を控えること、その他の市域においては慎重に対応することを呼びかけ。
○野生動物(イノシシ)の肉における放射性核種の濃度測定結果について(2011年9月9日)福島県
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/shizen23-
0909naibuhibaku.pdf
NPO法人ふくしまワイルドライフ・市民&科学者フォーラムの検査で、二本松市562~664Bq/kg、福島市2,408~2,448Bq/kg、天栄村651Bq/kgを検出
相双地区、県北地区に加えて県中地区においてもイノシシの自家消費を控えるよう呼びかけ。
○食品中の放射性物質の検査結果について(第190報)厚生労働省 9月14日
・No.216:茨城県水戸市産イノシシ肉(Cs:670Bq/kg)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001oup2.html
○水戸市で捕獲されたイノシシ肉の放射性物質検査結果 茨城県 公開日 2011年9月15日
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/nousanbutsu/20110915_03/
→水戸市木葉下町地内捕獲:670Bq/kg
○イノシシ肉の放射性物質検査結果 茨城県 公開日 2011年9月20日
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/nousanbutsu/20110920_03/
→日立市高鈴町捕獲:1,040Bq/kg、土浦市本郷捕獲:890Bq/kg、高萩市上手綱捕獲:940Bq/kg
県内において捕獲されたイノシシを食用に供することは控えるよう(食用に供する場合は、事前検査を行う等慎重に対応)、イノシシが生息する16市町村の鳥獣担当部局を通じて、有害捕獲隊員等に周知
○栃木県 2011年9月7日発表 野生鳥獣(シカ)肉からの放射性物質の検出について
target="_blank">http://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/houdou/230907yaseisikaniku.html
栃木県猟友会日光支部が民間機関に委託した調査で日光市今市地区で捕獲した鹿の肉より2,037Bq/kg、藤原地区940Bq/kg、日光地区590Bq/kgを検出。
栃木県は「捕獲場所周辺でのシカを始めとする野生鳥獣の自家消費は控えていただくとともに、その他の地域においても、慎重に対応していただくようお願いします。」と呼びかけ。
○野生鳥獣(シカ)肉からの放射性物質の検出について(第2報)9月14日
→栃木県猟友会日光支部が検査、暫定規制値超無し
target="_blank">http://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/houdou/230913yaseisikaniku2.html
○野生獣肉(イノシシ)の放射性物質検査について9月14日栃木県
→栃木県調査:検査機関横浜検疫所、暫定規制値超無し
target="_blank">http://www.pref.tochigi.lg.jp/e07/houdou/20110914inosisi.html
○群馬県【9月8日】野生獣肉からの放射性物質の測定結果について(自然環境課)
→暫定規制値超無し
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e2400012.html
○群馬県【9月15日】野生獣肉からの放射性物質の測定結果について(自然環境課)
→暫定規制値超無し
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e2400013.html
○9月8日(木)長野県 野生獣肉(ニホンジカ・イノシシ)からの放射性物質の検査結果について(第1報)
→検出されず
target="_blank">http://www.pref.nagano.lg.jp/rinmu/shinrin/10press/press11090801.pdf
○食用に供する野生鳥獣の肉の放射性物質検査の実施について(依頼)厚生労働省 8月30日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nni5.html
岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県へモニタリング強化を依頼
宮城県記者発表資料(宮城県庁のHPには非掲載)が添付されているが、当該資料では宮城県猟友会の検査で角田市内捕獲イノシシより2,200Bw/kgを検出したと説明し、「野生鳥獣を食用として摂取することは控えて下さい」と呼びかけている。
○食用に供する野生鳥獣の肉の放射性物質検査の実施について(依頼)9月14日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001p1c5.html
→埼玉県、千葉県へモニタリング強化を依頼
・食肉・卵の放射性物質の検査結果について 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/meategg-
kekka.html#1
・農産物に含まれる放射性セシウム濃度の検査結果(随時更新) 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/s_chosa/index.html
事故原発の状況が安定に向かい、牛肉や、野生のキノコといった限定的な農産物にしか暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されない状況になっているいま、これほど広範囲の産物で暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されているのは他には無く、イノシシやシカの肉といった野生動物の肉が今もっとも放射能汚染リスクの高い食物となっている。
厚生労働省も、8月30日に各県に対し、野生獣肉のモニタリング調査を強化するように東北・関東の大部分の県に指示を出した。
ところが、この指示が出て一ヶ月近く立った現在になっても、この各県のモニタリング調査は全く進展を見せない。
福島、宮城といったもっとも重要な当事者である県が、モニタリング調査をしていない。
茨城県は熱心にモニタリング調査を実施しているが、なぜかイノシシのみで、シカの調査をしていない。
栃木県はシカとイノシシ両方について調査を行っているが、いかんせん調査件数が少なすぎる。
困るのは、2,000~3,000Bq/kgといった高い放射性セシウムを検出しているのが、いずれも自治体の検査ではなく、猟友会などの民間の自主的な調査によるものであり、検査機関も明らかでないので、どの程度の精度で行われた検査で、その結果に信憑性があるのかないのかがわからないことだ。茨城県はきちんと県の機関で検査をしており、広範囲のイノシシ肉から暫定規制値を上回るものが検出されているので、問題があるのは確かなようだ。
いかし、栃木県の民間検査の後追い検査では、暫定規制値を上回るものは見つかっておらず、問題があるのかどうかが良く解からない。
そもそもなぜ野生動物の獣肉から高い放射性セシウムが検出されるのか、そのメカニズムの調査が全く行われていない。
獣肉を食べ続けるような食生活を送っているのは、猟師さんぐらいしかいないであろうから、狩猟免許を持っている人に注意喚起を徹底すれば、健康被害は無いと思われるので、問題は無いのかもしれない。
しかし、獣肉が汚染されている要因は、他の農産物への汚染要因につながっているかもしれない。
また、余り問題が無いようであれば、獣肉の摂取の自粛を早急に解禁すべきである。シカやイノシシは狩られなければその数が増えてしまい、鳥獣害が深刻なものになってしまう。
消費者はジビエ料理を避けるといったような自己防衛措置をとる必要は無いと思うが、国と自治体のリスク管理措置が徹底されないのは、大きな問題である。一刻も早く広汎なモニタリング調査の徹底と原因の早急な解明が必要である。
農水省も厚生省もこの問題には熱心でないようであり、農水省は食肉の汚染状況の整理データにイノシシやシカの肉について全くとりあげていない。こうした点も大きな問題である
○福島第一原子力発電所事故による野生鳥獣への放射線影響について 8月30日 環境省
http://www.env.go.jp/jishin/attach/no110830002.pdf
○野生動物(イノシシ)の肉における放射性核種の濃度測定結果について(2011年8月26日)福島県
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/shizen23-
naibuhibaku.pdf
NPO法人ふくしまワイルドライフ・市民&科学者フォーラムの検査で、二本松市捕獲:563~3,074Bq/kg、南相馬市捕獲:1,667~3,221Bq/kg、相馬市捕獲:1,210Bq/kgを検出。
相双地区、県北地区におけるイノシシの自家消費を控えること、その他の市域においては慎重に対応することを呼びかけ。
○野生動物(イノシシ)の肉における放射性核種の濃度測定結果について(2011年9月9日)福島県
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/shizen23-
0909naibuhibaku.pdf
NPO法人ふくしまワイルドライフ・市民&科学者フォーラムの検査で、二本松市562~664Bq/kg、福島市2,408~2,448Bq/kg、天栄村651Bq/kgを検出
相双地区、県北地区に加えて県中地区においてもイノシシの自家消費を控えるよう呼びかけ。
○食品中の放射性物質の検査結果について(第190報)厚生労働省 9月14日
・No.216:茨城県水戸市産イノシシ肉(Cs:670Bq/kg)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001oup2.html
○水戸市で捕獲されたイノシシ肉の放射性物質検査結果 茨城県 公開日 2011年9月15日
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/nousanbutsu/20110915_03/
→水戸市木葉下町地内捕獲:670Bq/kg
○イノシシ肉の放射性物質検査結果 茨城県 公開日 2011年9月20日
http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/nousanbutsu/20110920_03/
→日立市高鈴町捕獲:1,040Bq/kg、土浦市本郷捕獲:890Bq/kg、高萩市上手綱捕獲:940Bq/kg
県内において捕獲されたイノシシを食用に供することは控えるよう(食用に供する場合は、事前検査を行う等慎重に対応)、イノシシが生息する16市町村の鳥獣担当部局を通じて、有害捕獲隊員等に周知
○栃木県 2011年9月7日発表 野生鳥獣(シカ)肉からの放射性物質の検出について
target="_blank">http://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/houdou/230907yaseisikaniku.html
栃木県猟友会日光支部が民間機関に委託した調査で日光市今市地区で捕獲した鹿の肉より2,037Bq/kg、藤原地区940Bq/kg、日光地区590Bq/kgを検出。
栃木県は「捕獲場所周辺でのシカを始めとする野生鳥獣の自家消費は控えていただくとともに、その他の地域においても、慎重に対応していただくようお願いします。」と呼びかけ。
○野生鳥獣(シカ)肉からの放射性物質の検出について(第2報)9月14日
→栃木県猟友会日光支部が検査、暫定規制値超無し
target="_blank">http://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/houdou/230913yaseisikaniku2.html
○野生獣肉(イノシシ)の放射性物質検査について9月14日栃木県
→栃木県調査:検査機関横浜検疫所、暫定規制値超無し
target="_blank">http://www.pref.tochigi.lg.jp/e07/houdou/20110914inosisi.html
○群馬県【9月8日】野生獣肉からの放射性物質の測定結果について(自然環境課)
→暫定規制値超無し
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e2400012.html
○群馬県【9月15日】野生獣肉からの放射性物質の測定結果について(自然環境課)
→暫定規制値超無し
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e2400013.html
○9月8日(木)長野県 野生獣肉(ニホンジカ・イノシシ)からの放射性物質の検査結果について(第1報)
→検出されず
target="_blank">http://www.pref.nagano.lg.jp/rinmu/shinrin/10press/press11090801.pdf
○食用に供する野生鳥獣の肉の放射性物質検査の実施について(依頼)厚生労働省 8月30日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nni5.html
岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県へモニタリング強化を依頼
宮城県記者発表資料(宮城県庁のHPには非掲載)が添付されているが、当該資料では宮城県猟友会の検査で角田市内捕獲イノシシより2,200Bw/kgを検出したと説明し、「野生鳥獣を食用として摂取することは控えて下さい」と呼びかけている。
○食用に供する野生鳥獣の肉の放射性物質検査の実施について(依頼)9月14日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001p1c5.html
→埼玉県、千葉県へモニタリング強化を依頼
・食肉・卵の放射性物質の検査結果について 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/meategg-
kekka.html#1
・農産物に含まれる放射性セシウム濃度の検査結果(随時更新) 農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/s_chosa/index.html
#
by touten2010
| 2011-09-24 23:41
やはり福岡県民は情が薄いのか?
福岡市の九州最大と称されるアウトレットモール、マリノアシティ福岡に開設が予定されていた福島応援ショップが、「放射能汚染が広がる」という批判メールが相次いで寄せられたことを理由に、中止となった。
・東日本大震災:福島応援ショップ中止 批判メール相次ぎ--福岡 ◇「農産物持ち込むな」「不買運動起こす」毎日新聞 2011年9月10日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110910dde041040027000c.html
・反応複雑…福島応援ショップ出店中止の福岡市民(2011年9月9日10時20分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110909-OYT1T00246.htm
・農産物販売所の開店断念 福島産、抗議メール相次ぎ(2011年9月8日)共同通信
http://www.47news.jp/47topics/e/220015.php
共同通信の記事がもっとも詳しいが、その記事によると、
「開設場所の、マリノアシティ内の農産物直売所「九州のムラ市場」から開設者の福岡市の市民団体「ふくしまショッププロジェクト」に「メールの問題で上からストップがかかった。出店を見送ってほしい」と連絡があったという」ことらしい、
「マリノアシティ福岡を運営する福岡地所(福岡市)は「反対意見や問い合わせがあったのは事実だが、開店中止はテナントとしての収益性を判断した」と強調した。」ということであるから、察するに他のテナントの売り上げ減少を恐れて福岡地所が開設にストップをかけたということだろう。
はっきり言って、この反応は過剰反応であり、偏見で福島県民の心を傷つけているものと言わざるを得ない。
以下の福島県の発表を見れば解かるように、もう福島県の農産物から放射能が検出されるのは、キノコや牛肉、水産物といったものに限定されており、ほとんどの農産物からは全く放射能が検出されていない。福島県における農産物の放射能検査は一桁のBQ/kgまで計測できる高い精度のものであり、50Bq/kg以下は計測できず検出せずと決め付けてしまう東京都や千葉県の検査よりはずっとしっかりしたものであることから、「福島県のほとんどの農産物は放射能汚染の恐れは無い」と断言して良い。
・原子力発電所事故による農産物被害等関連情報 福島県
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23692
同じような事件である、京都の五山送り火で被災地の松が使用中止になったケースがあるが、この時は一度京都市が中止のコメントをした直後に京都市民から中止に対する抗議・非難の電話が殺到し、再度市は使用の検討をすることとなった。
・五山送り火被災松使用中止 抗議・非難の電話殺到2011.8.9 01:23 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110809/trd11080901240001-n1.htm
結果としては、当初予定していた被災者の祈りのコメントを記載した札の代わりに、被災地の松を表皮つきのまま持ち込んで使用することを検討することになり、念のためにその松の放射能を検査したところ、表皮から放射能が検出されて、最終的には使用中止の決断が下された。それでも京都在住の一部の識者からは中止に対する批判コメントが寄せられたのである。
翻って、福岡市の今回のケースを考えてみると、京都市の場合と異なり、応援ショップを中止にしたと思われる福岡地所や九州のムラ市場に対して批判や抗議が寄せられているというは無いようだ。新聞各紙の記事も中止の意見をなんとなく肯定してしまっているようである。
良く考えてみれば、震災地に乗り込んで「何もしないぞ」と言い放って日本中から顰蹙をかった松本龍元震災復興担当相は福岡県選出の国会議員である。
・【松本担当相発言】松本龍震災復興担当相の発言要旨(3~4日)2011.7.5 00:22 (1/2ページ)MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110705/plc11070500230000-n1.htm
私としては「やはり福岡県民は情が薄いのか」という疑いをもたざるを得ない。
確かに、福岡にも、震災地を支援するために一生懸命に活動している人が多いということは否定しない、現に「ふくしまショッププロジェクト」が市民の手で立ち上げられようとしていたのだから。
問題は、そうした活動をしている人たちの周辺や、福岡県民全体の中に「何の根拠もなしに福島県産の産品を拒否することは、福島県民を見捨てるような行為であり、恥ずべきことだ」と考える普通の人たちが少ないということである。そこが千年の都である京都との決定的な大きな差である。
それにしても、九州に済む者として「九州人は冷たい」と思われたままでは恥ずかしい。
私としては「もうわたしはマリノア福岡には行きません」宣言をするというところから始めようと思う。良く考えもせずに偏見で福島県民の心を傷つけてしまうような人たちが一番大切なお客だというのであれば、私はマリノア福岡にとって「大切なお客ではない」ということだからだ。
あなた自身はどうだろうか。
福岡地所はこの件については、何もホームページで説明を行っていない、被災地へのお見舞いの言葉をしらじらしく載せているだけである。
・福岡地所50周年事業東日本大震災復興支援チャリティ企画劇団四季ミュージカル「ウィキッド」親子ペア招待実施報告 2011.08.26 福岡地所
http://www.fukuokajisho.com/news/110826.html
・福岡地所ホームページ
http://www.fukuokajisho.com/index.html
→「この度の東日本大震災に際し、心よりお見舞い申し上げますと共に、被災地の皆様の一日も早い復興をお祈り申し上げます。」というコメント有り。
・マリノアシティ福岡ホームページ
http://www.marinoacity.com/
今日のニュースで愛知県の日進市の祭りで、福島の花火が拒否されたという事件が取り上げられていた。これも「不安を訴える声が市民からよせられたから」ということである。
・福島の花火、苦情で打ち上げず 愛知・日進市の祭り2011.9.19 13:44
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110919/dst11091913470009-n1.htm
こういった偏見の満ちた心無い人たちの声を公共機関や社会に責任ある企業が認めて行動してしまうことが続くようでは、日本社会はやがて崩壊してしまう。崩壊を食い止めるために少しでも心ある人たちは自分の思いを行動に移そうではないか。
・東日本大震災:福島応援ショップ中止 批判メール相次ぎ--福岡 ◇「農産物持ち込むな」「不買運動起こす」毎日新聞 2011年9月10日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110910dde041040027000c.html
・反応複雑…福島応援ショップ出店中止の福岡市民(2011年9月9日10時20分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110909-OYT1T00246.htm
・農産物販売所の開店断念 福島産、抗議メール相次ぎ(2011年9月8日)共同通信
http://www.47news.jp/47topics/e/220015.php
共同通信の記事がもっとも詳しいが、その記事によると、
「開設場所の、マリノアシティ内の農産物直売所「九州のムラ市場」から開設者の福岡市の市民団体「ふくしまショッププロジェクト」に「メールの問題で上からストップがかかった。出店を見送ってほしい」と連絡があったという」ことらしい、
「マリノアシティ福岡を運営する福岡地所(福岡市)は「反対意見や問い合わせがあったのは事実だが、開店中止はテナントとしての収益性を判断した」と強調した。」ということであるから、察するに他のテナントの売り上げ減少を恐れて福岡地所が開設にストップをかけたということだろう。
はっきり言って、この反応は過剰反応であり、偏見で福島県民の心を傷つけているものと言わざるを得ない。
以下の福島県の発表を見れば解かるように、もう福島県の農産物から放射能が検出されるのは、キノコや牛肉、水産物といったものに限定されており、ほとんどの農産物からは全く放射能が検出されていない。福島県における農産物の放射能検査は一桁のBQ/kgまで計測できる高い精度のものであり、50Bq/kg以下は計測できず検出せずと決め付けてしまう東京都や千葉県の検査よりはずっとしっかりしたものであることから、「福島県のほとんどの農産物は放射能汚染の恐れは無い」と断言して良い。
・原子力発電所事故による農産物被害等関連情報 福島県
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23692
同じような事件である、京都の五山送り火で被災地の松が使用中止になったケースがあるが、この時は一度京都市が中止のコメントをした直後に京都市民から中止に対する抗議・非難の電話が殺到し、再度市は使用の検討をすることとなった。
・五山送り火被災松使用中止 抗議・非難の電話殺到2011.8.9 01:23 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110809/trd11080901240001-n1.htm
結果としては、当初予定していた被災者の祈りのコメントを記載した札の代わりに、被災地の松を表皮つきのまま持ち込んで使用することを検討することになり、念のためにその松の放射能を検査したところ、表皮から放射能が検出されて、最終的には使用中止の決断が下された。それでも京都在住の一部の識者からは中止に対する批判コメントが寄せられたのである。
翻って、福岡市の今回のケースを考えてみると、京都市の場合と異なり、応援ショップを中止にしたと思われる福岡地所や九州のムラ市場に対して批判や抗議が寄せられているというは無いようだ。新聞各紙の記事も中止の意見をなんとなく肯定してしまっているようである。
良く考えてみれば、震災地に乗り込んで「何もしないぞ」と言い放って日本中から顰蹙をかった松本龍元震災復興担当相は福岡県選出の国会議員である。
・【松本担当相発言】松本龍震災復興担当相の発言要旨(3~4日)2011.7.5 00:22 (1/2ページ)MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110705/plc11070500230000-n1.htm
私としては「やはり福岡県民は情が薄いのか」という疑いをもたざるを得ない。
確かに、福岡にも、震災地を支援するために一生懸命に活動している人が多いということは否定しない、現に「ふくしまショッププロジェクト」が市民の手で立ち上げられようとしていたのだから。
問題は、そうした活動をしている人たちの周辺や、福岡県民全体の中に「何の根拠もなしに福島県産の産品を拒否することは、福島県民を見捨てるような行為であり、恥ずべきことだ」と考える普通の人たちが少ないということである。そこが千年の都である京都との決定的な大きな差である。
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私としては「もうわたしはマリノア福岡には行きません」宣言をするというところから始めようと思う。良く考えもせずに偏見で福島県民の心を傷つけてしまうような人たちが一番大切なお客だというのであれば、私はマリノア福岡にとって「大切なお客ではない」ということだからだ。
あなた自身はどうだろうか。
福岡地所はこの件については、何もホームページで説明を行っていない、被災地へのお見舞いの言葉をしらじらしく載せているだけである。
・福岡地所50周年事業東日本大震災復興支援チャリティ企画劇団四季ミュージカル「ウィキッド」親子ペア招待実施報告 2011.08.26 福岡地所
http://www.fukuokajisho.com/news/110826.html
・福岡地所ホームページ
http://www.fukuokajisho.com/index.html
→「この度の東日本大震災に際し、心よりお見舞い申し上げますと共に、被災地の皆様の一日も早い復興をお祈り申し上げます。」というコメント有り。
・マリノアシティ福岡ホームページ
http://www.marinoacity.com/
今日のニュースで愛知県の日進市の祭りで、福島の花火が拒否されたという事件が取り上げられていた。これも「不安を訴える声が市民からよせられたから」ということである。
・福島の花火、苦情で打ち上げず 愛知・日進市の祭り2011.9.19 13:44
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110919/dst11091913470009-n1.htm
こういった偏見の満ちた心無い人たちの声を公共機関や社会に責任ある企業が認めて行動してしまうことが続くようでは、日本社会はやがて崩壊してしまう。崩壊を食い止めるために少しでも心ある人たちは自分の思いを行動に移そうではないか。
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