福島県水産物漁再開の安全性を検証する
福島県漁連が18日に、福島県沖産の放射性セシウムが最近検出されていない一部海産物について漁獲・販売を決定した。
・ニュース 相馬沖の3種、販売承認 放射性物質検出せず 福島県漁連 2012年06月19日火曜日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120619t65009.htm
「福島県漁連は18日・・・相馬市の相馬沖で漁獲するミズダコとヤナギダコ、貝のシライトマキバイの計3種の販売を承認した。
・・・21日にも県内外の店頭に並ぶ見通し。」とある。
福島県漁連が漁獲・販売を決定した、「根拠」が漁連のホームページに詳しく解説されている。
・福島県の漁業について JF福島漁連
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/
「今までのサンプリング調査でタコ類やイカ類などでは、放射性物質による影響が少ない事が確認されております。」と説明。
福島県水産試験場のホームページ
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=E4AB3205C8F768A66C62D68F61CDB975?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=10797
・ミズダコ、ヤナギダコ、シライトマキバイ(マキツブ)の検査結果グラフ(福島県)
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/takotsubu-01.pdf
三品目いずれも事故直後以外は放射性セシウムが検出されていないと説明
東京大学の八木信行准教授が、安全性の根拠について、これまでの検討経緯も含めて解説している。
「消費者の安全を守りながら福島県の漁業を再開することはできるか」(pdf)
八木信行 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/yagi_kaisetu2.pdf
「特にイカ、タコ、貝類などは、魚類よりも放射性セシウムの凝縮係数が低いことがしられています。」と説明
凝縮係数(濃縮係数)そのものについては、同じ漁連のホームページに根拠が掲載されている。
海産生物可食部の濃縮係数
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/yagi_kaisetu.pdf
IAEAテクニカルレポートシリーズ No.422のセシウム、ストロンチウム等の海産生物別濃縮係数を紹介
見てみると以下のように、確かに貝類、イカ・タコは魚類よりもセシウムの濃縮係数は低い。
セシウムの濃縮係数
魚類 100
貝類 60
イカ、タコ 9
しかし、ストロンチウムを見てみると、貝類は魚類よりも濃縮係数が高くなっている。
ストロンチウムの濃縮係数
魚類 3
貝類 10
イカ、タコ 2
さらに、これらの根拠となっているIAEAのテクニカルレポート No422を見てみよう。
IAEA TECHNICAL REPORTS SIRIES no.422
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/TRS422_web.pdf
p.36に魚類(Fish)、p.46に貝類(MOLLUSCS(ECEPT CEPHAPOPODS)、p.64にイカ、タコ(頭足類:CEPHAPOPODS))の濃縮係数が記載されている。
私が、以前6月3日のブログで問題点を指摘した放射性銀について、その濃縮係数を見てみよう。
銀の濃縮係数
魚類 10000
貝類 60000
イカ、タコ データ無し
セシウムやストロンチウムと比べて、銀の濃縮係数は桁違いに高い。
しかも、魚類よりも貝類の方がずっと高い。
放射性銀は、食品衛生法の基準値を策定する際には、半減期が短いといったことで無視されたが、これだけ濃縮係数が高いと、しっかりモニタリングと評価を行うことが必要ではないかと思える。
やはり前にブログで説明したとおり、
1.放射性セシウム以外の放射性各種について、どのように安全性を評価するのか明らかにし、説明を広く行うこと。
2.放射性セシウム以外の放射性銀等の放射性核種について、少なくとも一月に1回は検査して数値を明らかにすること。
等の措置を政府としてとってもらわないと、福島県の海産物の安全性が確保されたとは言いがたい。消費者の不安感をぬぐうことはできないだろう。
・ニュース 相馬沖の3種、販売承認 放射性物質検出せず 福島県漁連 2012年06月19日火曜日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/06/20120619t65009.htm
「福島県漁連は18日・・・相馬市の相馬沖で漁獲するミズダコとヤナギダコ、貝のシライトマキバイの計3種の販売を承認した。
・・・21日にも県内外の店頭に並ぶ見通し。」とある。
福島県漁連が漁獲・販売を決定した、「根拠」が漁連のホームページに詳しく解説されている。
・福島県の漁業について JF福島漁連
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/
「今までのサンプリング調査でタコ類やイカ類などでは、放射性物質による影響が少ない事が確認されております。」と説明。
福島県水産試験場のホームページ
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=E4AB3205C8F768A66C62D68F61CDB975?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=10797
・ミズダコ、ヤナギダコ、シライトマキバイ(マキツブ)の検査結果グラフ(福島県)
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/takotsubu-01.pdf
三品目いずれも事故直後以外は放射性セシウムが検出されていないと説明
東京大学の八木信行准教授が、安全性の根拠について、これまでの検討経緯も含めて解説している。
「消費者の安全を守りながら福島県の漁業を再開することはできるか」(pdf)
八木信行 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/yagi_kaisetu2.pdf
「特にイカ、タコ、貝類などは、魚類よりも放射性セシウムの凝縮係数が低いことがしられています。」と説明
凝縮係数(濃縮係数)そのものについては、同じ漁連のホームページに根拠が掲載されている。
海産生物可食部の濃縮係数
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/yagi_kaisetu.pdf
IAEAテクニカルレポートシリーズ No.422のセシウム、ストロンチウム等の海産生物別濃縮係数を紹介
見てみると以下のように、確かに貝類、イカ・タコは魚類よりもセシウムの濃縮係数は低い。
セシウムの濃縮係数
魚類 100
貝類 60
イカ、タコ 9
しかし、ストロンチウムを見てみると、貝類は魚類よりも濃縮係数が高くなっている。
ストロンチウムの濃縮係数
魚類 3
貝類 10
イカ、タコ 2
さらに、これらの根拠となっているIAEAのテクニカルレポート No422を見てみよう。
IAEA TECHNICAL REPORTS SIRIES no.422
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/TRS422_web.pdf
p.36に魚類(Fish)、p.46に貝類(MOLLUSCS(ECEPT CEPHAPOPODS)、p.64にイカ、タコ(頭足類:CEPHAPOPODS))の濃縮係数が記載されている。
私が、以前6月3日のブログで問題点を指摘した放射性銀について、その濃縮係数を見てみよう。
銀の濃縮係数
魚類 10000
貝類 60000
イカ、タコ データ無し
セシウムやストロンチウムと比べて、銀の濃縮係数は桁違いに高い。
しかも、魚類よりも貝類の方がずっと高い。
放射性銀は、食品衛生法の基準値を策定する際には、半減期が短いといったことで無視されたが、これだけ濃縮係数が高いと、しっかりモニタリングと評価を行うことが必要ではないかと思える。
やはり前にブログで説明したとおり、
1.放射性セシウム以外の放射性各種について、どのように安全性を評価するのか明らかにし、説明を広く行うこと。
2.放射性セシウム以外の放射性銀等の放射性核種について、少なくとも一月に1回は検査して数値を明らかにすること。
等の措置を政府としてとってもらわないと、福島県の海産物の安全性が確保されたとは言いがたい。消費者の不安感をぬぐうことはできないだろう。
by touten2010
| 2012-06-20 22:49
| 水産物
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